2024年10月3日木曜日

アキアカネ観察の前にミルンヤンマを撮る

 ミルンヤンマは県内だと、ほぼ全域に分布するトンボで、夏の中頃から晩秋にかけて山地の渓流で見られるヤンマです。黄昏時に活発に活動する種のようなことが言われていますが、必ずしもそうとも言えず、中通り地方中部の平地の渓流では9月に入ると午前中から♂の探雌飛翔が見られます。
 小学生の時に、旧長沼町の親戚の家に夏休みで遊びに行っている間に、家の傍でこのトンボを捕まえる機会が何回かありました。今でこそ、そのヤンマがミルンヤンマであったことは疑う余地がないのだけれども、当時は名前も知らず、コヤンマと勝手に名付けていました。コヤンマが田舎の家々の間を通る細い小道や畑の上を往復飛翔しているの見つけ、ドキドキしながら採集した思い出があります。採集したミルンヤンマは薄茶色の体にオニヤンマ様の黄色の紋があって、とても気に入っていました。近くに釈迦堂川が流れていて、その川の水を町内各所に引き入れた水路がありましたから、その辺からも羽化はあったと思います。何しろ当時の水質は今とは雲泥の差でしたから。当時は平野部の集落内でも未熟成虫が活動していたのです。
                   
             ここから水がわき出し、わずか30m下流のビオトープに流れ込みます。
                    
               コンクリートの河床に岩を組んで流れを再現してます。

 さて、家から30分ぐらいのところに、ミルンヤンマが見られる場所があります。キャンプ場になっていて、子供たちの昆虫観察会を行った時、水路周辺に多くの羽化殻があるのを1人の子供が見つけました。本種が人工的に作られた短く狭い水路に生息しているのに驚きました。個体数は多くありませんが、楽なのでこの場所で撮影することにしました。
             
                 頭上を飛び抜けるミルンヤンマ

                          同

 そう思うながら、8月上旬にコロナに感染して、結局生息地を訪れたのは10月になってしまいました。さすがに飛んで来る個体数は非常に少なく、シャッターチャンスもほとんどありませんでした。でも、産卵は何とか撮ることができました。撮影中、周りにカサカサと樹々の枯葉が落ちて、秋の深まりを感じました。
                        
                    これは古い写真、場所は隣の沢
                       
                 1枚だけ何とか捕れた♂、結構きれいな個体

 1時間に1-3頭の♂が飛来してきます。次第にボーとした状態になってきた時、いつの間にか、♀がそばの流木に飛来して産卵を行っているのに気が付きました(良くあるケースです)しばらく産卵させます。今動くと驚いて逃げてしまいます。♀が次第に産卵に集中してきた時(産卵管を盛んに流木に刺しながら動き回る)、カメラを向けます。数枚撮影した時に突然強い雨が降り出しました。まだ数枚しか撮っていません。これからという時に、、。しかし雨では仕方がありません撤退です。
                      
              
               一心不乱に産卵に集中する♀, 翅に触れても無視!
                        
              産卵を終えた個体を目で追う事は困難ですが, 幸い近くの枝に止まった.


 



                                            
 







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