つづく
福島県におけるトンボの写真とそれぞれの種類の興味深い生態を紹介するブログです。
先に、いわき市のムカシトンボが生息する渓流わきで、オツネントンボとホソミオツネントンボを多数確認し、さらに県内では最近になって記録が出始めたホソミイトトンボまでもいたことを述べました。この状況なら中通りの郡山市にもすでに分布を広げているのではと、家から自転車で10分のところにある溜池に行ってみました。最初に目に入ったのがホソミイトトンボの連結ペアでした。なんだ、ちゃんと居るではないですか!さらに注意して周囲を見渡すと、そこそこの個体が確認できました。ウーン、いったいいつ頃から居たのだろう?全く気が付きませんでした。
灯台下暗し、目と鼻の先に居たとは!
ホソミイトトンボは東南・南アジアを中心に30種ぐらい同属種がいて、多くが平地の止水域に極々普通に見られるトンボです。一方、このグループは同定が非常に難しくて、実際ラオスからも数種を記録していますが、同定には二の足を踏んでいました。そんなこともあって、正直最近まで日本のホソミイトトンボにもあまり関心がありませんでした。
トンボと私
年をとってくると、なにやら人は昔を懐かしむことが多くなるらしい。97才になった伯母を施設に見舞った時に、ぽつりと、「でも、いろいろ楽しいこともたくさんあったからね。もう思い残すことは無いよ・・・」と。考えれば伯母は施設に入ってから長い。入所後、楽しいことがどれほどあったか、そう思うと、なるほど楽しい思い出の多さは人生の終末期において、残された日々を過ごす中でとても大切な事柄になってくるのだろう。
トンボは僕の生きがいの1つだ。トンボを好きになったのは自然の成り行きだった。母の実家は長沼町だ。家は釈迦堂川の近くにあって、城下町らしく、水路が集落のいたるところに張り巡らされていた。もちろん現在と違って、コンクリート護岸などはない。川岸にはいたるところに水草が茂り、夏にはそうした場所でカジカやヤマメをヤスで突いた。街中でこうした遊びができるところも、子供にとって魅かれるものがあったのだと思う。
遊び場はほとんどが屋外で、従兄と一緒にゴム動力の飛行機飛ばしや、ビー玉やめんこなどに興じ、夏休みは川での水泳に毎日通った。運命の出会いは川で泳いでいる時だった。水面に顔を出したその目の前を大きなトンボが水面すれすれを飛び去った。コヤマトンボであった。もっともこの名前を知ったのはずーとかなり後になってからだったが。
僕はその時のトンボの姿に心を奪われ、この時スイッチが入ったのだと思う。以後毎日、水泳などすっかり忘れて、このトンボの捕獲のために川に通った。なかなか採ることができなかった。ようやく仕留め、指に挟んだトンボをドキドキしながら見たら、その摩訶不思議で、思わず吸い込まれてしまうほど綺麗なグリーンの目玉や、金属光沢をまとう胸部と鮮やかなレモン色の紋。トンボへの興味は一気につのった。
夏休みになると東京から遊びに来た従妹を連れて、良く川にトンボ採りに行った。夏の青い空にもくもくと沸き立つ入道雲。そして彼女のかぶる麦わら帽子と、そこから覗く笑顔。僕はただ黙って一緒に草いきれの立つ田んぼのあぜ道を歩いた。
もう50年以上も前の思い出だ。施設や病院で最後を迎える時、どんな思いがよぎるのか、心に残るやさしい思い出であってほしいと思う。
家の前の庭を夕方になると良くコシボソヤンマが通り過ぎた最近の論文から
いつの間にかいなくなったコバネアオイトトンボ
季節はあっという間に初夏に 今年のムカシトンボは何かいまいちパッとしないまま終わろうとしています。代わってサラサヤンマのシーズンとなってきました。郡山市ですと、例年連休明けの10日ごろから羽化が始まります。大体月末になると成熟虫が湿地に飛来してきます。 昨年観察していて、こ...