このトンボを毎日見てきて、彼らの縄張が非常に合理的な配偶システムの核になっていることを改めて実感すると同時に、多くのあらたな知見を得ることができました。以下に簡単に本種の縄張行動をまとめてみました。でもこれは、あくまで郡山市のある湿地での観察結果です。環境や個体密度が異なれば、また違った結果になるかもしれません。
福島県のトンボ探訪
福島県におけるトンボの写真とそれぞれの種類の興味深い生態を紹介するブログです。
2026年6月11日木曜日
サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri の縄張り行動
このトンボを毎日見てきて、彼らの縄張が非常に合理的な配偶システムの核になっていることを改めて実感すると同時に、多くのあらたな知見を得ることができました。以下に簡単に本種の縄張行動をまとめてみました。でもこれは、あくまで郡山市のある湿地での観察結果です。環境や個体密度が異なれば、また違った結果になるかもしれません。
2026年5月31日日曜日
サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri の観察記 Ⅱ
縄張りで静止してメスを待つオス、これがサラサヤンマの縄張の基本だと思います
縄張内を歩くと静止していたオスが驚いてホバリングする
両者のグラフの調査間隔をそろえなかったのですが、何となくオスの活動が不活発(縄張りで活動するオスが少ない)な時間帯にメスがより多く飛来しているように見えませんか?オスの活動が活発となる3つのピークを避けるように♀が飛来している?ここには示しませんが、産卵は交尾に比べ、よりオスの活動が不活発な時に行われる傾向がありました。メスたちは縄張りの外からオスたちの様子を伺っているのでしょうか?
この湿地では産卵中のメスが雄に見つかって確保され交尾にいたることは殆んど見られず、交尾は産卵を装いながらメスが縄張内を地面低くゆっくりと飛んだ時に観察できました。でも、なかには産卵そのものが目的ではなく、明らかに自らオスに摑まることを望んで縄張りを飛ぶメスがいるように見えます。
2026年5月26日火曜日
サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri の観察記Ⅰ
注目すべき交尾率ですが、明らかに静止型が2倍高くなっていることが分かりました。これは継続時間が静止型が4倍以上も長いことが主な要因と考えられます。飛んでエネルギーを消耗するよりも、止まって楽して交尾したほうが絶対に良いと思います。飛翔型が静止型より長時間継続するなら結果は逆になったと思います。
もし、静止型縄張りのオスが外的な刺激を受けなかったとしたら、一体どのくらい長く止まっているのでしょうか?ある時間以上は我慢できなくなって、自発的に飛翔型縄張り行動に移ることはないのでしょうか?5月27日の観察はその点非常に興味のある出来事でした。この朝はどんよりした天気で、8時頃に日が射しこんできました。オスの飛来は8:30を回ってからでしたが、2オスのみが飛来してきました。片方は直ぐにメスが来て、それを捕え交尾態となって飛び去って行きました。残る1オスは縄張り内の小さな枯れ枝に止まってメスを待ちます。でもなぜか、その後メスはおろかオスも全く飛んできません。結局このオスはしきりに翅を震わせながら28分43秒も止まったままの状態でいました。
2026年5月12日火曜日
越冬3兄弟
先に、いわき市のムカシトンボが生息する渓流わきで、オツネントンボとホソミオツネントンボを多数確認し、さらに県内では最近になって記録が出始めたホソミイトトンボまでもいたことを述べました。この状況なら中通りの郡山市にもすでに分布を広げているのではと、家から自転車で10分のところにある溜池に行ってみました。最初に目に入ったのがホソミイトトンボの連結ペアでした。なんだ、ちゃんと居るではないですか!さらに注意して周囲を見渡すと、そこそこの個体が確認できました。ウーン、いったいいつ頃から居たのだろう?全く気が付きませんでした。
灯台下暗し、目と鼻の先に居たとは!
ホソミイトトンボは東南・南アジアを中心に30種ぐらい同属種がいて、多くが平地の止水域に極々普通に見られるトンボです。一方、このグループは同定が非常に難しくて、実際ラオスからも数種を記録していますが、同定には二の足を踏んでいました。そんなこともあって、正直最近まで日本のホソミイトトンボにもあまり関心がありませんでした。
2026年5月3日日曜日
ムカシトンボ Epiophlebia superstes の季節 (越冬トンボ御三家)
流畔にはフタバアオイの大群落がいたるところにある
幸い、そう遠くないところにまあまあの沢を見つけて一安心。これで何とか観察できるといいのですが。一帯での羽化はすでに始まっているはずなのですが、ここでは見つかりませんでした。しかしその一方で、越冬トンボ御三家をこの新たな沢沿いで多数見つけることができました。
日ましに緑が濃くなっていく
ニリンソウの開花が盛期
一方のオツネントンボは4月中旬にかなりの個体が見られたのを最後に、すでに山を下ったのか全く観察できなくなっていました。前 2 種より越冬が早く終了するようです。オツネントンボとホソミオツネントンボは1ケ所でかなりの個体数がまとまって見ることができますが、ホソミイトトンボは全部で4頭ほどで個体数はかなり少ないようです。しかし、こんな山地の渓流脇で越冬とは、なかなかこのトンボも面白いですね。てっきり平地周辺の丘陵地の林だと思っていました。
この沢では急激に個体数が減って、4月28日には見られなくなった
ホソミオツネントンボは渓流脇の若いササの葉に集まっていた
まだ体色が淡く、もうしばらく滞在が続く
サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri の縄張り行動
トンボに友好的とか人懐っこいとかは無いのかも知れないけれど、このトンボに関してはそう言ったことが当てはまりそうな気がしてしまいます。6 月 11 日に最後の観察をしました。一部は目が青緑色に変化してきていて、発生がいよいよ終わりかけてきたことを示しています。 ...
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裏磐梯長瀬川 長瀬川と言えば、秋元湖から流れ出て猪苗代湖に注ぐ河川を思い浮かべるのですが、実際には、桧原湖がその源で、中瀬沼さらに乙女沼を介して小野川湖に注ぎ、秋元湖からの流れと合流しています。この一帯は磐梯山噴火時の火山岩が厚く堆積していて、その間を縫う様に無数の流れが...
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トンボ好きのあこがれのトンボ 福島県におけるネアカヨシヤンマとマルタンヤンマは、現在こそ多産地や記録が各地にあるなど、今ではトンボ仲間の中では普通に語られる種類となっていますが、以前はマルタンヤンマはともかく、ネアカヨシヤンマが生息しているなどと全く予想しておらず、わざ...
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ことしも飛んだコンテンポラリーなカトリヤンマ 昨年、郡山市中心部の文化施設の脇でカトリヤンマを発見したことをこのブログに載せました。しかし残念ながら、その後も写真に撮ることができずにいました。今年になって満を持して数回水路でヤゴ採集を試みましたが、ヤゴは全く得られませんでし...