オオルリボシヤンマは何時何処で交尾するのか?
この問に答えられるトンボ好きはかなりの観察通でしょう。ほんとに不思議です。あんなにたくさんいるのにどうして見れないのか?すでにこのブログでも何回かこの問題に触れてきましたが、一向に進展がありません。オオルリボシヤンマの行動を見てみると、猪苗代湖周辺、標高500mでは7月15日当たりが羽化盛期。7月25日過ぎに周辺の池沼に♂が戻り始めます。♀はさらに遅れて、8月20日以降に沼に飛来が始まります。オオルリボシヤンマはこれまで見てきたヤンマ類で最も早く活動する種で、4:35に活動開始(沼上を活発に飛び回る)します。8月第1週ではその時間に♂♀が混飛しますが、♀はまだまだ若い個体です。
Aeshna 属の多くは1週間から2週間ほど♀が遅れて生殖域に現れるようで、オオルリボシヤンマの場合、羽化が、♀は♂に比べ10日程度ピークが遅れることに起因しているようです。ここに交尾がなかなか観察できないヒントが隠されているように思います。猪苗代湖周辺では8月20日前後に♀が戻り始めた時に交尾が行われ、しかも交尾期間が予想外に非常に短いのではないでしょうか?昨年はこの時期の早朝観察はマダラヤンマに対応してしまい、できませんでした。今年はぜひ確かめてみたいと思います。
一方、多くの人は交尾する場所が全く予想もしなかった場所でおこなわれるのではないかと考えています。私もそうでした。でもどこで?そんな場所思い当たりますか?とにかく池沼の中では交尾しませんから。
ただ、林に接している小さな池沼ではしばしば♂が、樹に沿って上下にせわしくカトリヤンマのように飛ぶのを見ます。これは♀を探すように丹念に見て飛ぶような行動で、一見すると探雌行動にも見えます。♀がスギの幹にでも止まっているのでしょうかねえ。何か本当に良く分かりません。ヨーロッパでの本種の交尾についても、あれだけ詳細に観察していても交尾は見られないとする報告が全てで、お手上げ状態のようです。
1か所で摂食行動する♂たち、2021/8/17, 17:45. 8頭が一応写っている。