落日をむかえるいつもの観察地、右の斜面にオツネントンボが集まっている 11/23 須賀川市
以前標高700mに位置する山間部におけるオツネントンボの越冬を観察して、このブログに概要を載せました。それらの結果から、越冬には温度よりも太陽高度の位置によって越冬時期が決まるのではないかと予想を立てました。
それから20年、確実に温暖になって本種の越冬も変わったのではないかと思っていました。11月アキアカネを観察する須賀川市の水田地帯の雑木林には多くのオツネントンボが生息しているのが気になっていました。山間地に登らず、低地での個体群はどのように越冬するのか。山間地だと毎年11月10日以前が越冬開始時期となりますが、どうも低地だとかなり遅くなることが分かりました。そうすると越冬開始時期は以前予想した太陽高度によるものではない可能性が出てきました。うーむむむ。
大体コーなります。勝手に自身で描いた予想は見事にはずれることが多いのです。そんなに甘く、単純じゃねーぞ、と。
観察当日の23日は異常に暖かく、当地では最高気温が18℃を記録して、オツネントンボ、オオアオイトトンボ、ナツアカネそしてアキアカネが午前中活発に活動していました。普通ならほとんどトンボは見ない時期なんですが。午後3時すぎになると、オツネントンボは陽に当たる雑木林の縁にある農道の斜面にどんどん集まります。さらに3時30分あたりから斜面の小枝に止まって静止状態を保つようになって、全く活動しなくなります。気温は14℃で結構高めです。どうやらこのままの状態で夜を越し、樹上に上がって眠ることはしないようです。
このまま、地面近くの植物体につかまったまま、越冬に入るのでしょうか?だとすればオランダなんかで報告されている越冬態と変わらないという事になります。
26日、この日は午前中は晴れでしたが、朝の気温が氷点下まで下がりました。これで、お陀仏となったトンボも多かろうと、いつもの観察地に出かけてみました。時間は9時半です。気温は6℃、現地に着くと何とアキアカネが交尾してます。こんな低温でも盛んに雌雄が飛び回っています。敏感でカメラで寄るとすぐに飛び立ちます。多くは雑木林の南側に作られた農道の法面に止まっています。10:00には気温は7℃になりましたが、こんな低温でもアキアカネはペアとなってどこかに飛んでいきます。ずいぶん低温には耐性があるようです。
この時期でも11時頃(気温8℃)になると♂は産卵に来る♀を捕えようと水田に飛来します
こうなると、平地での越冬はこうした日当たりのいい斜面にある植物体の地際で越冬するのでしょうか?まだ、本種の越冬態は朽木や岩の割れ目に入り込んで越冬するイメージが強く、このような観察は意外でした。もう気候は冬になっていますから、これをもってオツネントンボの越冬態だとすべきなのでしょうか、悩みますねえ。もう少し観察を続ける必要があるのかないのか、分かんねーなあ😕
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