今年の7~8月はオオルリボシヤンマに振り回され、挙句、昆虫教室に動員されて、そこでコロナに感染しました。後遺症に悩まされ、ほとんど野外に出ることはありませんでした。
悶々とした日々のなかで、これではダメだと、思い切って撮影に出かけることにしました。気になるトンボにオオルリボシヤンマの青型♀とナゴヤヤサナエが思い浮かびました。前者はこれまで浜通りと阿武隈高地で見ていますが、中通りや会津地方では見たことががありませんでした。また後者のナゴヤサナエは、唯一の生息地であった夏井川が大規模な河川改修でその後どうなったのか全く分かりませんでしたので、行って見てこようと思いました。
オオルリボシヤンマ青型♀
9月の第1週、♀が多かった会津地方の生息地を回りましたが、1頭も見ることができませんでした。30個体ぐらい見たのですが、会津にはいないのかなあ、その後半ばあきらめムードで帰りがてら、いつも通っていた郡山市湖南町の池に寄って見たところ、何と複数の青型♀に出会うことが出来ました。
写真のように、ここの♀は青といっても淡い青で、一般に知られる鮮やかな青とはいきませんが、これはこれでなかなかいい感じです(自己満足)。青型が多い地方ではこうした淡い青の個体もでるのでしょうか?
ナゴヤサナエはどこへ行く?
夏井川の堤防の大改修は平野部全域を対象にしていて、ナゴヤサナエの生息地も例外ではありませんでした。一昨年の改修前とこの9月12日の状況です。かなり深刻です。現在残っている川岸の樹々は全て伐採され、コンクリートの護岸に変わり、その上を新たに道路が建設されるようです。
夏井川では広域に本種が生息しており、絶滅してしまうことは無いでしょうが、この場所で来年見られるかは分かりません。それと今回気が付いたのですが、以前と違って、ナゴヤサナエの飛び方が変わったように感じました。昨日と今日現地で観察しましたが、とにかく暑い!持っていた気温計は33℃(11日、10:00)で水面からの照り返しも厳しく、長時間の観察は無理でした。この気温のせいか、ナゴヤサナエ♂の独特な飛び方が短時間で終わってしまい継続しないのです。川面を飛び始めたと思ったら、すぐに居なくなってしまします。ある時はいきなり3,4頭の♂が現れて、盛んに争う姿が確認できるのですが、すぐに姿を消します。不思議に思っていると、川面低く現れて旋回飛翔していた個体は直ぐに川岸の樹林の梢に上がってしまうのを見ました。
当初、7時ぐらいまでは川面に数頭の♂が飛翔するのが見えましたが、8:15以後、ほとんど飛ばなくなりました。そこで苦労して川を横断し、対岸にある樹林帯に行って見ました。すると川面に張り出したエノキの葉に数頭の♂が休んでいるのが確認できました。待っていると上の方からスーっと♂が降りてきて川で緩やかに飛び回り出しました。しかし1分もしないうちに再び、今度はそばの低い位置のヤナギの葉に飛んで来て止まりました。
9:00以後は川面を双眼鏡で覗いても、姿は見られず、たまに川面を飛んでもすぐに居なくなり、これは以前とは全く違う印象を持ちました。産卵は6:30にあったきりで、この場を離れる11時まで見られませんでした。何か今までとは違うような感じを受けました。