2025年9月26日金曜日

お別れのオオルリボシヤンマ Aeshna crenata

 今期のオオルリボシヤンマの写真を御笑覧ください

 このトンボには今年も例にもれず散々振り回され、結局オオルリボシヤンマの交尾はいつどこで行われるかという、最大の関心ごとは分からずじまいになってしまいました。もっともこの問題を調べていく中で、本種の今まで知らなかった新たな生態を知ることにはなったのですが。でもこの問題は終了です。今年観察の折に撮って来た写真をここに上げて、一応の区切りを付けたいと思います。
                                                                                        
                    ♂の羽化はだらだらと1ヶ月近く続く

                                                         羽化のために水面に上がってきたところをゲンゴロウに襲われた
                   
                今度はイモリが襲う、すでに翅胸部が損傷していている. この状態で命を落とした
                                                                                                  
                         ごく普通の胸部がアサギ色の♂
                           
                         
           こっち(2枚)は黄色(ダークエッググリーン)!熟度には関係
ないような.... 
                          
        
何考えてるのかね?最初は警戒するけど、慣れて来るとすぐそばでホバリングする
                        
          
♀がくると必死で追いかけるのだけれど、うーむ、本当は何やってんだろ?
                          
           
♂どうしの争いでうっかり油断すると、ゲンゴロウの餌食に
                          
      
おっ、交尾か!と期待したけど、結局♀が拒否して交尾には至らず。全く交尾しないことは無いのかなあ
                           
           
産卵している♀は連結、ましては交尾なんか絶対しないもんねーー
                           
           
ようやく青!ってのが撮れた。ここにも結構いるみたいですね。
                          
                                                           副産物のオニヤンマの交尾、意外に出くわすことが少ない
                          
             
アオイトトンボの集団産卵、これが見られだすと、いよいよシーズンも終盤

 


 




2025年9月4日木曜日

阿武隈川のナゴヤサナエ Stylurus nagoyanus

 福島県におけるナゴヤサナエの生息地は、これまで浜通りの夏井川(いわき市)および中通りの阿武隈川流域にあって、約10か所の成虫、幼虫の確認地点があります。しかしこの中には河川改修や、原因は不明ですが、すでに姿が見られなくなった場所もあります。特に阿武隈川の生息地は最近記録が絶えぎみで、毎年個人的に新たな生息地を探そうという気持ちではいたのですが😓
 9月に入って、まず阿武隈川のそれらしい場所を見て回ることにしました。最初は近間の郡山市内から始めました。郡山市では谷田川の中流部に生息地がありましたが、現在は河川改修で全く環境が変わって長らく姿を確認できていません。
 むしろ最近は阿武隈川との合流地点に生息の可能性があるように思えました(写真1)。しかし昨年もそうでしたが9月2日現在、まだ姿を見ることはできていません。環境は良いんだけどな。また、須賀川市付近の阿武隈川とその支流では、昨年本種らしい姿を確認していますので期待しているのですが、郡山同様、今年はまだそれらしい姿を見ることは出来ません。

         (写真1)環境はいいのですが、今まで1回も姿を確認できていない

 郡山市地域ではまだ本種を確認できない厳しい状況なのですが、昨年、友人から県南地方での情報提供がありました。全く予想すらしていない地域だっただけに大変ビックリしました。今年はぜひ成虫を探しに行かなければならないと考えていました。そこで9月3日県南地方に出向き、おぼしき所を何か所か見て回りました。
 その結果、某所で本種の飛翔を確認しました(写真2)。多分、友人が教えてくれた場所だと思われました。ただ水深が背丈以上あって、近づくことが出来ず、飛翔はパットしない写真しか撮れませんでしたが(写真3)、対岸の切り立った崖に沿って生える灌木に良く止まる様でしたので、対岸に渡って、決死の覚悟で急斜面の岸を降り、何とか水面近くのヤナギに止まった♂を撮ることができました(写真4)。個体数は非常に少なく、また飛翔範囲も狭く、この場所が恒久的な生息地になるのか少々不安です。しかも郡山市のかつての生息地から距離的に相当南下していて、良くまあ、こんな内陸まで飛んでくるものだと感心しました。はたしてここから最終的に宮城県の阿武隈川河口付近まで幼虫は本当に下るのでしょうか?にわかに信じられなくなってきます。
                     
            (写真2)県南地方の生息地、ここはむしろキイロヤマが飛びそう?
                        
                                                            (写真3)夏井川同様、深くて近寄れないナゴヤサナエ
                        
        (写真4)決死の藪漕ぎ、急斜面の降下、やっとのことで撮影した久々の中通り産の♂
    
 一方、会津地方ではナゴヤサナエの記録はありません。会津地方を縦断する阿賀川(福島県に入ると呼び名が変わります)は環境が良く本種がいてもおかしくありません。もっとも新潟県の阿賀野川流域でナゴヤサナエの記録はないようですが、本当にいないのでしょうか?福島県側でもその生息の有無を確認しておくことは重要でしょう。阿武隈川の例もあることですから、可能性は無いとは言い切れません。ぜひナゴヤサナエを確認してマダラヤンマやハネビロエゾトンボと共に初秋の御三家トンボになれば良いと思います。
 
















スナアカネの最新の分類学的な位置について

                                      夕日を受けて休むスナアカネ 2017.9.19 南相馬市 もう1つの論文   文献  A.V. Mglinets et al. ( 2025)では、前回同様に核DNAの分析にヒストンH3-H4領域の配列を...