2020年9月4日金曜日

晩夏のコシボソヤンマ(このブログはパソコンでご覧ください)

ごあいさつ
 今回から少しずつ、福島県内のトンボの写真を中心にアップしていきたいと思います。県内にはトンボを対象に写真を専門にやってらっしゃる方が少なく、ほとんどの撮影で人に会うことはなく、会っても他県の同好者だったりして寂しく思っていました。最近、県内にもようやく若い人たちでトンボの写真や生態の観察を趣味とする方々がでてきました。その方々に啓発されて、少しトンボの写真を題材に、福島県のトンボと、その興味深い生態を浅く、深く紹介できたらと、このブログを立ち上げました。第1回目はちょうど今が旬?のコシボソヤンマを取り上げます。次回はマダラヤンマです。

 コシボソヤンマは世界中で6種知られていて、日本からはコシボソヤンマ1種が生息しています。本種は県内山間部の中小河川に広く見られますが、会津地方では記録が少ないトンボです。ちょうどこの時期に活発な配偶行動が観察されます。
 朝から昼前までと主に午後4時前後から辺りが暗くなるまで川岸に沿って飛びます。雄は暗い場所や流木に雌が産卵していないか確かめるように飛びます。撮影はなかなか難しい面があります。まずは雄が頻繁に覗き込む場所をさがすことが肝要です。とにかく飛来数がないと話になりません。撮影したほとんどがピンボケですから。以前のフィルム時代では膨大な出費となりました。デジタルになって本当にその恩恵を実感しています。
      
                  コボソヤンマの生息地(郡山市逢瀬町逢瀬川)


                     
          

 
           雄の探雌飛翔 郡山市逢瀬町逢瀬川上流 2020.9.2

 一方、雌は他のトンボ同様、非常に雄を警戒して飛びます。これまでの観察では飛んでくる個体は圧倒的に雄が多く、雌はなかなか飛来しません。また、雄自体の飛翔時間帯もワーっと連続的に来たり、全く飛ばない時間があったりして、どーもよくわかりません。ですから、なおさら雌は出会えず、なかなか写真に撮れません。さらに産卵も、必ず朽木などに来るかと待っていても素通りしたり、撮影は一筋縄にはいきません。そして雄の飛来が絶えた、わずかな時間(30分ぐらい)に、まるでそれを見計らったように突然、目の前の産卵対象に飛来したりします。最初はこちらが動くと、パっと飛んだりして非常に神経質ですが、産卵に集中すると多少の刺激には動じなくなって、ゆっくりピントを合わせることができるようになります。以下は午前中の明るい時間帯の産卵と夕刻、相当暗くなってきた時の産卵です。この生息地は産卵対象となる流木がほとんどなく、護岸のコンクリート壁面に生えた蘚苔類にも産卵をおこなっていました。

    
            
  
                     平地の水田地帯にあるごく普通の農業排水路、こんな場所にも雌は産卵に訪れます

   コンクリート壁面にはみ出したヨシの根と付着した泥の部分に産卵 2020.9.10



                    


  


3 件のコメント:

  1. 楽しいそうなブログですね。次回は何かな・・・?

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  2. 青眼のコシボソヤンマがいるそうですが、福島県では見られますか?。群馬では見たことがありません。

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    1. 残念ながら福島では見ていません。

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