いわき市夏井川のナゴヤサナエ
ここ1週間、天気が悪くてトンボの観察に出かけられない状況が続いています。この時期はいわき市夏井川のナゴヤサナエが特に気になります。昨年の台風によって、夏井川は大氾濫して多くの犠牲者を出てしまいました。9月第2週目に確認に行きましたが、姿を見ることができませんでした。その時、対岸の公園に重機が入って何かの工事をしていました。ところが、その後ニュースによると、その工事はこの河川公園を撤去してさらに掘り下げ、川幅を倍にする工事であったことを知りました。まさに発生地の川底が浚渫され、川幅が倍になって、当然堤防もかさあげされるでしょう。これはもうだめでしょうね。新な生息地を探さなければならないかも知れません。今更その気力もないしなあ。万が一の場合を考えて、夏井川のナゴヤサナエの写真をアップしておきたいと思います。こんなはずではなかったのですが。いわき市小山下付近の夏井川生息地の景観 2017.9.15
河口で羽化する雌 2019.8.5
ちょっと変わったルリボシヤンマ
桧枝岐村は郡山市からでも2,3時間かかる山深い地域ですが、県外から多数の採集者が毎年訪れ、多くの珍種との出会いで一喜一憂が繰り広げられています。かつてはかなり奥地までの林道が整備されていて入ることができましたが、近年、山域の多くを所有している製紙会社が伐採を止めたことによって、林道が廃道同然になってきたところも多くなってきました。以前のオオゴマシジミが群れ飛ぶような光景や、ドロノキの梢を、白く太い帯が際立って、まるで扇のように飛ぶオオイチモンジの姿を見ることは少なくなってきました。
一方トンボといえば高山トンボのメッカである尾瀬地区を一応除けば、標高が1000mを超えるこの地には意外とトンボの種類が少ない地域であるともいえます。特に急峻で平地が少ないこの地では止水性のトンボがほとんど見られません。そんな中、桧枝岐川やその支流の実川、舟岐川の中州や岸辺にできた水溜まりは貴重な止水性トンボの発生地になっています。一部では高山トンボのムツアカネが見られる場所もあって、見つけた時には結構こうした低地(それでも1000m)にも尾瀬から移動してくる個体もあるものだと感心したほどです。ヤンマはオオルリボシとルリボシヤンマの2種しか見られませんが、パソコンで写真を整理していたところ、数年前に採ったルリボシヤンマが出てきました。これは以前、東京で毎年参加しているスライド会で披露したのですが、このままお蔵入りはどうかと、今回ブログにでもあげたら感心のある方は参考にしてもらえるかなと思って、あらためてアップしておきたいと思いました。
最初は何のヤンマなのか全くわからず、採集してみて初めてルリボシ?と思ったほどでした。いわゆる黒化個体だと思ったのですが、形態については若干異なる部分もありました。
桧枝岐村産ルリボシヤンマ黒化型全形図
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