今年の発生はおかしい
今年は、春先そして現在も低温の日が多く、いわき市のムカシトンボの発生も遅れました。しかし、すでに6月上旬。例年ならば発生は末期となって産卵域のウワバミソウには多数の産卵痕が残されているはずなのですが、今年はまだ、これまでに産卵された株数が以前の1/10にも満たないのです。成虫の個体数も少なく、大きな環境変化があったでもないのにどうしたことなのでしょうか?
これから産卵ピークが訪れるとはとても思えません。幼虫時代に何か重大なことが起きていたのでしょうか?なんせ10年近くの幼虫期ですから、ある年何かが起きていたのかも知れません。
そういうわけでこの産地はあきらめて、以後観察地を郡山市西部の山地帯に変えてみます。今日は最後のいわき市での観察となりました。この観察地ではクロサナエやヒメクロサナエも多く良い観察地ではあるのですが、どうしてもムカシトンボを優先してしまうため、真剣に向き合うことはありませんでした。しかし、今日はクロサナエの交尾やおかしな行動をみることができましたので、その写真を上げておきたいと思います。
現在、近くで三和風力発電所の建設が行われていて、今年末から長さが50m以上にもなるプロペラブレードの搬入が始まるそうです。そのために渓流沿いの道の車幅(特にカーブの部分)を大規模に拡張する必要があって、すでに測量・アセス(昆虫網を持った調査員が数年前から来ていたが、ムカシトンボの生息を知らなかった)が終了しています。来年以降、この観察地は大幅に環境が変わっていることでしょう。どんなことになるのかトンボたちへの影響を憂慮せずにはいられません。
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